こんばんは(^-^)
米国で兎ウィルス性出血病のタイプ2( RHDV2)で流行しているそうです。
米国南西部で数千匹のウサギが死亡しており、うさぎを餌とする野生動物にも危機をもたらしているそうです。
うさ飼いの私たちにとって衝撃的なニュースです!
そこで、日本で暮らしているうさぎさんは大丈夫なのか、気になるので調べてみました。
目次
兎ウィルス性出血病とは?
兎ウイルス性出血病は、「兎出血病ウイルス」が原因となる致死性の高い病気で、うさぎの届出伝染病です。
野生、家畜、ペットのうさぎがこの兎出血病ウイルスに感染すると、元気や食欲がなくなり、発熱を引き起こします。
また、神経症状や鼻出血などの症状が見られ、全身臓器の出血により数日のうちに死亡します。
何も症状を示さないまま突然死することもあり、致死率は40~90%と高いです。
とても怖い病気ですよね!
兎ウイルス性出血病にはタイプ1とタイプ2があります。
兎ウイルス性出血病タイプ1は、1984年に中国で発見され、研究者らはドイツから輸入したアンゴラウサギから感染が始まったと考えています。
その後、南アメリカとアフリカを除く世界全土に広がっています。
兎ウイルス性出血病タイプ2は、2010年にフランスで発生した後、欧州に広まり、近年ではオーストラリア、カナダ、米国において感染が報告されています。
タイプ1のウィルス潜伏期間は2-10日で、タイプ2では3-9日です。
兎出血病ウイルスに感染したうさぎの死亡率は非常に高く、RHDV1の場合は40-100%、RHDV2の場合は5-70%+です。
兎ウィルス性出血病を引き起こす兎出血病ウイルスについて
兎ウィルス性出血病を引き起こす兎出血病ウイルスは、「ウサギカリシウイルス」に属します。
ウサギカリシウイルスは非常に丈夫なウイルスであり、布地において20℃で105日間生存可能です。
室温で3.5か月間、気温3℃で225日間生存出来ます。
凍結しても死なない可能性があり、50℃の熱で1時間生き延びることが出来ます。
ウサギカリシウイルスは、コロナウイルスのようなエンベロープタイプ(脂質の膜で保護されている)ではなく、ノンエンベロープタイプのウィルスになるので、アルコール消毒があまり有効ではありません。
ウイルスに感染してから発病するまでの期間は非常に短く、16-48時間と考えられています。
日本での症例
日本における兎ウィルス性出血病は、1994年に北海道で発生報告があり、1995年には静岡県の観光牧場で大量発生したと報告されています。
それから全国各地で散発的に発生していて、届出伝染病に指定されました。
1998年以降は2000年と2002年に発生報告があります。
感染経路
兎出血病ウイルスの主要な感染経路は、口、鼻および目です。
感染したうさぎやその死骸、血液、排せつ物等と直接接触することにより広がることが確認されています。
また、餌や水を介した間接的なウイルスによっても感染します。
ハエや蚊などによってウイルスが広がったり、人の服や靴についたウィルスが広がることもあります。
症状
兎出血病ウイルスは、特定のうさぎにのみ発病します。
また、生後約2ヵ月以上のうさぎに発病することが多いようです。
うさぎの免疫状態にもよりますが、41℃を越える発熱の後、2-3日で死亡する例も見られています。
急性の場合、食欲がなくなり、呼吸が早くなり、粘膜が青紫色になり、血液が鼻汁に混じることもあります。
感染後期には、神経症状、運動失調、けいれんが見られます。
急性でない場合は、発症後に自然治癒するうさぎが多いようです。
しかし、生き残ったうさぎは保菌者であり、ウイルスを少なくとも約42日間保有することがあります。
無症状のうさぎもいますが、2ヶ月はウイルスを保有していることがあります。
予防
兎ウィルス性出血病に関して、ヨーロッパやオーストラリアでは不活化ワクチンが承認されていますが、米国や日本では承認されていません。
飼い主が出来る予防
- うさぎとふれあうときは、石鹸でよく手を洗う
- よく知らない人が連れているうさぎと飼っているうさぎをふれあわせない
- 新しくうさぎを家に迎え入れる時は、先住うさぎと離す
- 衛生的な飼育環境を心がける
- 他のうさぎとおもちゃや飼育用品を共有しない
- 他のうさぎが多く集まるイベントは避ける
- 何か症状に気づいたらすぐに獣医師に相談する
- 死んだうさぎを見かけても直接触れない
治療方法
兎ウィルス性出血病を発症したうさぎに対する有効な治療法は、現在のところありません。
兎ウィルス性出血病が日本で流行する可能性は?
今回流行している兎ウイルス性出血病タイプ2は、アナウサギやワタオウサギという品種の間で流行しています。
日本でペットとして飼われているうさぎは、国内で繁殖させたものが多いので、感染の危険性は少ないといわれています。
一方で、奄美大島や徳之島に生息する国の特別天然記念物であるアマミノクロウサギは、アナウサギやワタオウサギと遺伝的に近く、もし日本で兎出血病ウイルスが流行すれば感染の可能性があると言われています。
購入した牧草から感染する可能性は?
兎出血病ウイルスは、非生物を介して感染する可能性があります。
そこで、私たちのうさぎが食べている牧草は、アメリカからの輸入品が多いので心配になりますよね。
これに関してOxbow社は、牧草畑に感染した動物がいることやウィルスが生存する環境など一定の条件が整って感染リスクが高まることを考えると、牧草から感染する可能性は低いと伝えています。
まとめ
以上、米国で現在流行している兎ウィルス性出血病について調べてみました。
コロナが少し落ち着いてきてホッとしていたら、今度はうさぎ版コロナで心配ですが、予防を心がけたいと思います。
参考になれば幸いです☆
家畜疾病図鑑Web http://www.naro.affrc.go.jp/org/niah/disease_dictionary/index.html
日本獣医師会 http://nichiju.lin.gr.jp/tksn/rabit/ra02.html
奄美新聞社 http://amamishimbun.co.jp/2020/05/26/25019/
House Rabbit Society https://rabbit.org/rhdv/
Northstar Vets http://www.northstarvets.com/blog/rabbit-hemorrhagic-disease-virus-frequently-asked-questions/