たれみみ日和

うさぎ歴15年。うさぎさんとの生活について発信しています。アラフィフ飼い主の日常も時々。。。両親他界、おひとりさま、必死に生きております。

うさぎの消化管うっ滞についてー急性と慢性は全く違う疾患!?

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うさぎの消化管うっ滞についてー急性と慢性は全く違う疾患!?

うさぎの消化管うっ滞についてー急性と慢性は全く違う疾患!?

こんばんは(^-^)

先日、うさフェスで獣医師の方たちによるオンライン講義がありました。

前回はうさぎの消化器官の特徴をまとめてみましたが、今回はうさぎによく見られる消化管疾患である「消化管うっ滞」の講義内容についてまとめてみました。 

ちょっと長い記事になりますが、うさぎに多い病気であり命に関わることもある病気ですので、ぜひ読んで頂ければ嬉しいです。

www.usagitokurasu.blog

目次

うさぎの消化管うっ滞とは?

うさぎの消化管うっ滞とは?

うさぎの消化管うっ滞とは?

うさぎの消化器症候群(RGIS)の中でも、消化管うっ滞は非常によく見られる疾患です。 

また、消化管うっ滞には、急性うっ滞と慢性うっ滞があり、腸閉塞と胃拡張は急性うっ滞と重なるところがあります。

急性うっ滞は命に関わるものなので、一刻も早く動物病院へ連れて行くことが大切です。

  • うさぎの消化器症候群
  • 急性の消化管うっ滞
  • 慢性の消化管うっ滞
  • 腸閉塞・胃拡張症候群
  • 消化管うっ滞は、急性と慢性に分けられる

急性うっ滞

急性のうっ滞とは、異物や毛玉が胃腸につまって腸閉塞を起こしている状態を言います。

ただ、時折お腹を開けてみるとつまっていないこともあり、原因が定かではありませんが、神経などが原因となってうっ滞を起こしているとみられます。

症状としては、元気食欲排便がなくなったり低下し、低体温になり、ショック状態になります。

慢性うっ滞

慢性のうっ滞とは、不適切な食事、水分不足、運動不足、ストレス、被毛の摂取などが原因となり、うっ滞を起こしている状態です。

換毛の季節は特に注意が必要です。
年齢や性別に関係はなくどのうさぎにも起こりうる疾患です。

また、不正咬合や腎機能障害など他の疾患が原因のこともあります。

元気食欲排便は通常通りまたは低下し、便が小さくなったり、いびつな形になったり、大小混じったりします。

急性消化管うっ滞と慢性消化管うっ滞は全く違う疾患だとおっしゃっています。

うさぎの消化管うっ滞の診断方法

うさぎの消化管うっ滞の診断方法

うさぎの消化管うっ滞の診断方法

元気や食欲がなく、排便が少なくなっているうさぎが病院に来た時の診断方法はこちらです。

消化管うっ滞なのかどうか?

  1. 問診
    飼い主さんの話を聞く
  2. 身体検査
    触診で、胃がはっているか、ガスがたまっているかを診る
  3. レントゲン検査
    身体検査の所見が正しいかどうかを、レントゲンをとって確かめる

原発性か続発性か?

消化管うっ滞を診断されたら、原因は原発性か続発性かを診ます。

  1. 口腔内検査
    不正咬合などの歯の病気はないか?
  2. 血液検査
    肝臓や心臓の異常がないか?
  3. 重症度の評価
    急性うっ滞でショックを起こしている場合、体の中の血液が流れる量が減り、腎臓にながれる血液量が減り、体の中で尿毒素がたまり腎機能障害を起こす。
    基礎疾患や併発している疾患がないかどうか、血液検査をする

このようにうっ滞を起こしている場合、体を総合的に見て、急性か慢性化の診断をします。
慢性うっ滞なら、原発性か続発性かを診ます。

うさぎの消化管うっ滞の治療

うさぎの消化管うっ滞の治療

うさぎの消化管うっ滞の治療

消化管うっ滞の治療法は、大きく4つに分かれます。

  1. 内科療法、
  2. チュービングによる胃内容物の抜去
  3. 造影検査
  4. 外科手術

そして、消化管うっ滞を起こしているうさぎの治療は、急性と慢性によって違ってきます。

急性うっ滞の場合

急性の場合は、とにかく閉塞を解除してあげることを目標にします。

しかし、急性の消化管うっ滞を起こしているうさぎに、いきなり外科手術をすることは負担が大きすぎて亡くなってしまう場合がありますので、1と2を状況に応じて組み合わせていく必要があります。

内科療法

こちらの病院の場合は、まず酸素部屋に入れるそうです。
抗ショック療法(点滴、鎮痛薬、ステロイド、抗菌薬など)を試して、薬が効くのを待ちます。
急性の場合、重要なことは痛みを取り除いてあげることです。

チュービング

飼い主に説明をして、口や鼻から管を入れるチュービングをします。ただし、口の場合は、全身麻酔が必要なので注意が必要です。

造影検査

これでもダメなら、造影検査をします。
ただし、バリウムは固めてしまうので使わないそうです。
ヨード系造影剤を使用します。ガストログラフィンはぬるぬるしているので、つまっているものを流してくれたり、水圧をかけて押し流してくれます。

外科手術

最終手段です。
上記3つの方法が効果を現わさない場合は、最終的に外科手術をするそうです。

慢性うっ滞の場合

慢性の場合は、胃腸の蠕動運動の回復を目標にします。

内科療法と予防

水和(点滴)、消化管運動機能改善薬(プリンペラン)、胃薬、強制給餌などを行います。

消化管運動機能改善薬の成分であるメトクロプラミドについては、注意事項があります。

閉塞を起こしているうさぎにメトクロプラミドを使うと、消化管を動かしてしまうので穿孔や破裂をおこしてしまいます。慢性うっ滞にはいいが、急性うっ滞には使ってはいけません。 

こちらの病院の場合は、慢性うっ滞の場合、薬を1ヶ月か2ヶ月位続けてもらうそうです。

飼い主が自宅で出来ること

うさぎの慢性消化管うっ滞の予防

うさぎの慢性消化管うっ滞の予防

病院へ連れて行くまでに飼い主さんが出来ることは何でしょうか。

急性うっ滞の場合

急性うっ滞を起こしている場合、うさぎはショック状態にあり、低体温になっています。

まずは体を暖めてあげると同時に、すぐに病院へ連れて行ってあげてください。

  1. 保温(温めてあげる)
  2. 揉んだらダメ、さする程度(手をあてる)
  3. とにかく、病院へ行き点滴、鎮痛剤を!

慢性うっ滞の場合

ペレットを一旦辞めます。

お腹が空いたら牧草を食べるので、しっかりと食べてもらい、水分補給もしっかりとしてもらいます(生野菜もOKだそうです)。

そして、毎日の運動も大切なので、部屋んぽの時間をしっかりととってあげてください。
お腹や背中のマッサージも効果的です。

改善しなければ、病院へ連れて行ってあげてください。

病院へ行くタイミングは?

うさぎを病院へ連れて行くタイミングって、迷うところがあると思います。

しかし、急性うっ滞の場合は迷わずとにかく早く連れて行ってあげてください!
慢性うっ滞は自宅ケアで改善がなければ、早めに!

どちらか分からない場合は、半日様子を見て改善しなければ病院へ連れて行ってあげてください。 

うさぎの慢性消化管うっ滞の予防

うさぎの慢性消化管うっ滞の予防

うさぎの慢性消化管うっ滞の予防

慢性消化管うっ滞の予防は、飲み込む毛よりも排泄する毛を多くすることが大切です。

つまり、被毛の摂取<被毛の排泄です。

排泄を促すのは、繊維質、水分、運動の3つです。

飲み込む毛を少なくするには、ブラッシングで毛を取り除いてあげたり、長毛種の場合はカットも有効です。

また日頃ケアを十分していても、うっ滞を起こすことはあります。
これは、体質や体型でうっ滞になりやすかったり、つまりやすい消化管の形や動きしていたりすることがあるためだと考えられます。

急性の消化管うっ滞をおこすうさぎは、これまで慢性の消化管うっ滞を何度も起こしている事例があるため、慢性うっ滞を起こしている時にしっかりを治療をしておくことが大切です。

ペレットの早食いや、一日1回のペレットもお腹の中で一気に膨れてよくないので、小分けにして回数を多くして与えることもうっ滞の予防になります。

牧草は、与える量よりも食べる量が重要です。

与えているけど食べないといううさぎには、ペレットやその他の食べ物を減らして、牧草や水分をたくさんとってもらうようにしましょう。

まとめ

以上、うさぎの消化管うっ滞について、獣医師の方による講義についてまとめてみました。
参考になると幸いです☆