こんばんは(^-^)
以前獣医師による講義をまとめた際、エンセファリトゾーンについて触れたことがありました。
www.usagitokurasu.blog
今回は、我が家のうさぎのつきが実際にエンセファリトゾーン症と診断されたことをきっかけに、自分でも色々と詳しく調べてみました。
目次
エンセファリトゾーンとは?
エンセファリトゾーンとは、微胞子虫の仲間です。
かつては原虫に分類されていましたが、現在では菌類(カビなどの真菌)に近いとされています。
エンセファリトゾーンには、いくつかの種類がありますが、うさぎに感染するのは「encephalitozoon cuniculi」といううさぎ専門の菌です。
エンセファリトゾーンは、実験用マウスと猿、犬、霊長類、及びヒトで発生することが分かっています。
どうやって感染するの?
エンセファリトゾーンに感染したうさぎが、感染から6ヶ月後に尿中にある胞子を排出するので、その尿を口から摂取することで他のうさぎに移ります。
また体外に出た胞子は、3ヶ月位は感染力があるようです
尿からでたエンセファリトゾーンの胞子は空気中に舞うので、エアロゾル感染もあります。
親子の間でも感染し、子宮内で赤ちゃんの水晶体に入り込み感染します。
感染後30日は、中枢神経系には行きません。
感染例のほとんどは無症状で、免疫が低下することで発症することがあります。
例えば、ストレス、衰弱、老齢、投薬中のうさぎなどに発症する可能性があります。
ただ、うさぎのエンセファリトゾーンが、どの程度神経系疾患の原因になっているかは、今だ議論が絶えないようです。
データによると、アメリカやヨーロッパでは約80%、日本では75.2%がエンセファリトゾーンに対する抗体を持っているそうです。
高い数値ですね!
症状
エンセファリトゾーンの感染によりうさぎの体内の細胞が壊れることで、炎症が引き起こされます。
つきも、写真のように左目が白くなっています。
この炎症により、下記のような様々な症状が引き起こされます。
- 肉芽種性脳炎
- 脊髄神経根炎
- 斜頸
- 眼振
- 痙攣
- 運動失調
- 食欲不振、食欲増進
- 開帳肢(手足が開いてしまう)
- 若齢うさぎの白内障←我が家のうさぎのつきはこれ
- ぶどう膜炎
- 緑内障
- 前房蓄膿
- 腎不全
エンセファリトゾーンは様々な症状がみられるので、普段からよくうさぎさんの様子を観察して、いつもと違うといったサインを見落とさないようにしてください。
診断
うさぎから血液を採取して、抗体検査をします。
(ただ、エンセファリトゾーンの100%裏付けにはならないとされています。)
つきも抗体検査をして、80という結果が出ています。
検査で陽性反応が出るのは、感染して3週間から1ヵ月後とされています。です。
治療
一度破壊された脳組織や症状は元には戻りませんので、早期発見、早期治療がカギとなります。
なので、症状が出ればすぐに動物病院へ連れて行ってください。
抗体検査の結果が出るまで数日かかるので、細菌性(パスツレラ等)の為の抗生物質を投薬すると同時に、エンセファリトゾーンの駆虫薬も投薬し、必要ならばステロイドも与えるという治療が一般的なようです。
つきは医師と相談して、抗生物質はすぐに始めましたが、エンセファリトゾーンの駆除薬は結果が出るまで待ちました。
といっても3日後には駆除薬を開始しています。
抗生物質は、もし細菌感染が原因なら効果が出るとされる2週間続けました。
抗微胞子虫薬
フェンベンダゾールが、よくある駆除薬です。
約1ヶ月投薬すると、体内のエンセファリトゾーンは死ぬとされています。
つきの主治医は、腎臓に残る場合があり、完全駆除はなかなか難しいと言っています。
ただ、フェンベンダゾールには、骨髄の働きを抑制し白血球・血小板・赤血球などが減少する副作用があることが知られているため、投薬前や投薬後に血液検査で血球数などを調べていくことが重要です。
ローリングや頭部斜頸などの重篤な前庭症状がある場合
抗痙攣薬、めまいの薬、ステロイド
うさぎはステロイドにとても敏感とされていますので、その使用に関しては賛否両論があります。
ステロイドは、炎症を鎮めるために使用することはあるが、免疫が落ちるので細菌が活性化する恐れがあります。
ただ、上手に使えばとてもいい薬だとつきの主治医はおっしゃっていました。
ローリングするうさぎへの治療
ローリング(ぐるぐる回ってしまう)するうさぎには、薬が効かない可能性があります。
そのようなうさぎには、体を固定してしまうと回復を遅らせることがあるので、適度な運動が有効だとされています。
例えば、滑らない床で毎日数回、10分から30分程度、補助をしながら運動をさせてあげると、立ちあがることが出来るようになることがあります。
予防は出来るのか?
エンセファリトゾーンに感染しても、発症しなければ一生何もないまま過ごします。
つきも左目が白内障になり元に戻らないと聞いてかなり落ち込み、予防出来たのではないかと悔やまれました。
どこで感染したのかは分かりません。
お母さんうさぎから移ったのか?他のうさぎさんと触れあっていたこともあるのでそこから移ったのか?
あまりそういう場所へ出かけないことも一つの予防法ですね。
血液検査をしておく
幼い時に血液検査で抗体の有無を調べておけば、もし感染していれば駆除薬で症状が出る前に対処できるかもしれません。
しかし、抗体検査で100%感染していると分かるわけではないようなのが問題ですね。
生活環境に注意する
日頃から、うさぎの生活環境に気をつけることで、ストレスを軽減出来て免疫力の低下を防ぐことが出来ます。
感染したうさぎと接触させないことも大切です。
ただ、うさ飼いの皆さんも気をつけてらっしゃると思うので、気をつけていても起こる一種の事故のようなものではないでしょうか。
ちなみに、ウィルスではありませんのでワクチンはありません。
まとめ
以上、エンセファリトゾーン症についてまとめました。
沢山のうさぎさんがもっているとされるエンセファリトゾーン、発病するとやっかいな病気です。
最後にもう一度、早期発見早期治療が重要になります。
何か日頃と変わったことがあれば、すぐに動物病院へ連れていってあげてください。
今後、もっといい予防法や治療法が出来るといいなあと願っています☆